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鋳鋼と鋳鉄の違いは?鋳造で使われる素材についてご紹介

鋳造によって鋳物を製作する際、大きく分けて「鋳鉄」と「鋳鋼」の2つの素材が使われます。
今回は、それぞれの素材の概要と実際の製品事例について、ご紹介したいと思います。

目次:

  1.  鋳造とは?
  2.  鋳物で使われる素材をご紹介!
  3.  鋳鋼と鋳鉄の違いは?
  4.  鋳鋼技術ラボの製品事例をご紹介!
  5. 鋳造製品のお悩みは鋳鋼技術ラボにお任せください!

鋳造とは?

鋳造とは、金属や合金を融点より高い温度で溶かし、事前に作っておいた型に溶かした金属を流し入れ冷やし固める加工方法です。

長所としては複雑な形状や大型製品でも簡単に作れるということ、加工にかかる工数が少ないために時間や製作コストの削減につながるということなどが挙げられます。

日本においては自動車分野を中心に様々な分野において鋳造でつくられた鋳物が使用されており、世界の中でも大きな鋳物生産国となっています。

>>鋳造の概要についてより知りたい方はコチラ

鋳物で使われる素材をご紹介!

さて、そんな鋳造ですが、使用される素材の種類は多岐にわたります。
今回は、その中でも代表的な、「鋳鉄」と「鋳鋼」について、ご紹介したいと思います。

  • 鋳鉄
    鋳鉄は、炭素(C)含有量がおおよそ2.14%以上で、けい素(Si)が含有される鉄鋳物のことを指します。
    なお、一般的には2.5~3.5%炭素を含んでいるものが多く用いられています。
    鋳鉄内は炭素量が多く、けい素量が多いと黒鉛(グラファイト)と呼ばれる炭素の塊が晶出します。
    通常、鋳物は冷やして凝固させる際に収縮しますが、黒鉛は生成する際に体積が膨張するため凝固の際の収縮分を補う事ができ、鋳型通りの鋳物を作ることができます。
    また、潤滑性に優れ熱伝導性が良く、振動吸収能が高く熱衝撃にも強いなどの特徴を保持しています。
  • 鋳鋼
    一方、鋳鋼とは、炭素含有量が0.02~2.14%である鋼を用いた鋳造品のことを指します。
    鋳鉄に比べて炭素含有量が少ないため、溶解温度が高く、凝固時の体積の収縮も大きいことから鋳造の際に非常に技術力が求められると言われています。
    しかし、切削加工や鍛造加工などで作ることが難しい複雑形状、湾曲形状、中空部を持つ製品を一工程で作ることができるため、広く使用されています。
    鋳鋼のなかでも、「炭素鋼鋳鋼」と「合金鋼鋳鋼」の2つに大別することができます。
    炭素鋼鋳鋼は、炭素以外にけい素を約0.5%以下、マンガン(Mn)を約0.8%以下含んでおり、そのほかの合金成分を含んでいない鋳鋼を指します。
    また、炭素含有量に応じて3つの分類で区分けされ、炭素の増加と共に強度が増す分靭性が低下していきます。
    合金鋼鋳鋼は、炭素以外に様々な元素を添加した鋳鋼で、添加元素の多少により「低合金鋼」と「高合金鋼」に分類されます。
    添加される元素としては「マンガン」、「クロム(Cr)」、「モリブデン(Mo)」などが代表的であり、耐食性や耐熱性、耐摩耗性などを向上させることを目的としています。

鋳鋼と鋳鉄の違いは?

鋳鋼と鋳鉄の概要について説明しましたが、これらは炭素の含有量で分類されます。
そのため、それぞれの違いとしては炭素が持つ特性がそのまま強く反映される形になります。

下記に、鋳鋼と鋳鉄を比較した際のそれぞれのメリットを記載致しましたので、ご覧いただければと思います。

  • 鋳鋼の主なメリット
    1.  黒鉛が晶出しないため、靭性、延性に優れる
    2.  耐食性、耐摩耗性、耐酸化性に優れた材料へ加工しやすい
    3.  炭素含有量が少ないため、強度に優れている
  • 鋳鉄の主なメリット
    1.  流動性に優れ、鋳造性が良い
    2.  一般的に黒鉛が分散して存在することから、切削性、減衰性に優れる
    3.  融点を下げることができるため、低い温度での溶解・鋳造作業が可能となる

このように、鋳鋼と鋳鉄でそれぞれ利点がございますので、使用用途や目的にあわせて適切な素材を選ぶことが重要となります。

鋳鋼技術ラボの製品事例をご紹介!

上記のように、鋳鋼と鋳鉄によって特徴があります。
鋳鋼技術ラボでは鋳鋼による鋳物成形を得意としており、今回はその中でも特徴的な例をピックアップしましたので、ぜひご覧ください。

  •  発電設備機器向け 玉形弁
    発電設備機器向け 玉形弁
    こちらは発電設備向けの玉型弁の製作事例です。
    発電所の各所使用箇所に応じて、炭素鋼やクロモリ鋼、ステンレス鋼等を使い分けて製作しています。

>>この事例の詳細を見る

  •  配管用大型 スロート
    配管用 大型スロート

こちらは大型配管向けのスロート製作事例です。
スロートは配管の要所に配置される部品ですが、高温・高圧となるため鋳鋼製が多用されます。

>>この事例の詳細を見る

  •  産業機械向け ケース
    産業機器向け ケース
    こちらは産業機械向けケースの製作事例です。
    鋳鉄よりも高い強度を持たせる為、引張強度450N/mm2以上のSC450という炭素鋼鋳鋼が採用されました。

>>この事例の詳細を見る

 

いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介した事例以外にも、鋳鋼技術ラボでは様々な事例をご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

>>製品事例一覧はコチラ

鋳鋼製品のお悩みは鋳鋼技術ラボにお任せください!

今回は鋳造で使われる素材についてご紹介させていただきました。

鋳造で使われる素材の代表的なものとして「鋳鉄」と「鋳鋼」がありますが、強度を始め様々な目的にあわせて、適切な素材も変わっていきます。
貴社の使用用途に合わせ、今一度素材から見直してみるのも良いのではないでしょうか?

最後に、鋳鋼技術ラボでは、あらゆる鋳鋼・鋳鋼製品についての技術提案を行っています。
鋳鋼や鋳鋼製品にお困りの方は鋳鋼技術ラボまでお問い合わせください!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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