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技術情報

マンガン鋼

マンガン鋼(SMn材)とは、主要合金元素としてマンガンを添加した鋼です。添加する特殊元素としてのMn(マンガン)は、Si(シリコン)と同様に、機械的強度・耐摩耗性の改善に威力を発揮します。炭素鋼と比べて、低マンガン鋼は機械的強度が大きく、高マンガン鋼は、耐摩耗性が大きいという特徴があります。用途としては、建築・船舶など幅広い用途で、利用されています。また、合金鋼のなかでは比較的入手が容易であり、価格も手ごろなのが特徴です。

JISで定められたマンガン鋼の規格は、SMn420・SMn433・SMn438・SMn443という4つあります。SMn以下の数字が大きくなればなるほど、炭素の含有量が多くなり、強靭な鋼材となります。
 
SMn420はマンガン鋼の規格の中で、炭素含有量が0.17%~0.23%と最も低い種類の鋼材です。マンガン鋼の4種類の規格の中で、唯一の肌焼鋼です。炭素鋼SC材の代用品としては手ごろな価格で、耐摩耗性に優れているという特徴があります。

SMn433は、炭素含有量が0.30%~0.36%の鋼材です。機械構造用の合金鋼のなかで、耐衝撃性に優れているマンガン鋼(強靭鋼)です。焼入れは水冷、焼戻しは空冷という形で行います。

SMn438は、マンガン鋼のうち、炭素を0.35~0.41%含んでいる強靭鋼です。焼入れは油冷、焼戻しは急冷という形で行います。降伏点が、590以上の鋼材です。

SMn443は、マンガン鋼のうち、炭素含有量が最も多い、強靭鋼です。SMn443は、炭素を0.40~0.46%含んでいます。硬度も229HBW~302HBWと比較的硬くなります。その分、SMn材の4種類の規格の中で、降伏点が最高となります。熱処理の方法は438と同様です。

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