技術情報
熱処理
品物を目的の温度まで上昇させ、所定の時間保持し、冷却する。即ち“赤めて冷やす”作業である。
その中でも【赤め方2割・冷やし方8割】と言われるように、冷やし方で鋼の特性が変わるといっても過言ではない。
昇温・保持は目的の温度まで達していればその過程はあまり問われない。しかし、冷却はそうはいかない。
冷却速度の違いで熱処理後の特性は大きく変化する。
冷却方法が炉冷や自然空冷のものは、機械的作業に支配されることが大きく、目的の金属状態にすることは容易である。
しかし冷却方法が急冷を採用しているものは、人的作業に支配されることが大きいため、炉出し後の作業によっては目的の金属状態にならないこともある。
そのため鋳鋼製品においては、熱処理におけるポイントは「冷やし方8割である」と言われ、鋳鋼メーカーのノウハウが随所に現れる。